東京①

男は、空を見上げた。
今日も、変わらない空だった。

どんよりと重く、かすんだ空。
この街では、空はこんなに近いのに
何の魅力も感じない。

ふと、イナカの空を思い出す。
イナカの空は遠く、でも澄んでいた。
…こことは違う。

騒がしい雑踏の中、けたたましいクラクションの音で
男はまた、群集へと引き戻される。
スーツ達の群れの波の中に、今日も飲み込まれる。

男の毎日は、輝いていた。
イナカから出てきて、3年が過ぎ
仕事も面白く、やりがいを感じていた。

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